皆さんこんにちは!
現役動物看護師のクロころです。
今回は「犬の短頭種気道症候群」について解説していきます。
パグやブルドッグのような鼻が潰れた犬種は呼吸が他の犬種に比べて荒いことが特徴的だと思います。
一般に「鼻ぺちゃ犬」呼ばれる彼らはなぜいびきをかきやすいのか。呼吸が荒いのか。
その理由を解説していきたいと思います。
それぞれ詳しく解説していきます。
「短頭種」とは(犬種例)
まずはじめに、「短頭種」とはどんな犬種のことを言うのか説明していきます。
短頭種と呼ばれる犬種が誕生したのは人間の度重なる品種改良が原因です。
品種改良の目的はさまざまで、一部では闘犬での利用目的で改良された犬種などや他とは違った奇異的な見た目の犬を愛玩用として改良された犬種も存在します。
こういった犬種の特徴として
が挙げられます。
いずれの特徴も品種改良の中で本来の犬の頭部をぎゅっとまとめたような改良をされているため、構造としてはかなり窮屈なものとなっています。
こういった犬種の例としては
などが挙げられます。
チワワやポメラニアンといったあまり目が飛び出したり、しわが目立っていなくても「短頭種」と分類されている犬種もいくつか存在します。
短頭種気道症候群とは
では、「短頭種気道症候群」とはどんな疾患なのか。
簡潔に説明すると、短頭種の犬種でみられる呼吸器疾患の総称でありさまざまな症状が認められます。
一部をあげると「外鼻孔狭窄」や「軟口蓋過長症」「気管低形成」「気管虚脱」などがあります。
それぞれ品種改良によって顔をぎゅっとつぶされてしまったために発症してしまったもので、鼻の孔が通常よりも狭くなっていたり、気管がつぶれてしまう状態になります。
呼吸器の異常なので、命にかかわることもあり非常に危険です。
特徴的な症状
では、ここでは短頭種気道症候群の特徴的な症状について紹介していきたいと思います。
日常的にみられるものから緊急性の高いものまでさまざまな症状が見られます。
短頭種特有の鳴き声やいびきはよくかわいいと取り上げられますが、実際には犬自身は生涯苦しい思いをしながら呼吸をしていることもあり、そのことについては飼い主や家族が理解しておくべきポイントになります。
他にも呼吸困難による「チアノーゼ」などが見られることもあり、興奮時や体温が異常に高まった状態では注意が必要です。
熱中症と麻酔管理
体温が高い状態では注意が必要と解説しましたが、今の時期は短頭種の犬種は特に熱中症に注意が必要です。
本来犬はパンティングによって体温の放散を行いますが、短頭種では口腔内が詰まっているため熱の放散がうまくできず体内に熱がこもりやすいといわれています。
そのため、短頭種は通常の犬種よりも熱中症に注意が必要なのです。
また、麻酔管理においても短頭種はリスクが高いとされています。
その理由は、気管がつぶれているためうまく循環を保つことができないからです。
麻酔から覚醒後に気管が閉塞し窒息してしまうことも考えられます。
短頭種ではこういったことにも注意が必要なのです。
まとめ
今回は「犬の短頭種気道症候群」について解説していきました。
「ぶさかわいい」といわれたりして人気のある短頭種ですが、形態上はリスクの高い状態であるということは理解しておく必要があります。
今短頭種を飼育している方、これから家に迎え入れようか検討中の方は今回の解説を読んで少しでも短頭種の犬の生態について理解を深めていただければと思います。
かわいいことに間違いはありませんから、精一杯可愛がってあげましょう!
今回はここまで!
また次の記事でお会いしましょう!
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