皆さんこんにちは!
現役動物看護師のクロころです。
今回は、「犬の熱中症」について解説していきます。
犬は猫に比べて熱中症になる可能性が高い動物です。
猫はもともと砂漠などの地域に生息していた動物なので、ある程度の暑さには耐性があります。
しかし、犬は暑さに耐えられるような体のつくりをしていないため、近年の日本の暑さでは熱中症を発症する可能性が高くなっているのです。
では、犬と熱中症の関係について詳しく解説していきます。
犬は暑さに弱い?
冒頭でお話ししたように、犬は暑さに耐えられるような体の構造をしているわけではありません。
犬の祖先は「オオカミ」であるという説がかなり有力ですが、オオカミはシベリアなどの比較的寒い地域に生息し厚い毛皮で覆われていたことなどから、暑さではなく寒さに対して進化してきたことが考えられます。
今では、様々な犬種に品種改良がなされ短毛種やほぼ無毛の犬種も存在しますが、基本的にはふさふさの毛皮を持ち体温を保持できるように作られています。
また、犬は汗腺が人などよりも少なく汗をかくことができないことも暑さに弱いといわれる要因の一つです。
肉球などに体の一部には汗腺が存在しますが、全身に存在するわけではありません。
そのため、汗をかいて熱を逃がすということができないのです。
熱中症の特徴的な症状
以上の理由から犬は熱中症にかかりやすいとされています。
では、熱中症を発症してしまった場合はどんな症状がみられるのか。
次は特徴的な症状について解説していきます。
呼吸が荒くなる
熱中症になると呼吸状態が悪くなることがあります。
ハッハッというようなパンティングやいつもとは違う呼吸の仕方をしている場合は、熱中症の可能性があります。
体が熱い
熱中症になると体の中の熱を外に逃がすことができず、体内の温度がどんどんとあがってしまいます。
犬の正常体温は大体37.5~38.5度辺りと言われています。
40度を超えてくるのは、異常な数値です。
特に夏は、地面からの放射熱などによって熱がこもりやすい時期です。
体温が上がり過ぎていないか確認してあげましょう。
吐き気、嘔吐、下痢
熱中症が悪化してくると、気持ち悪さが出てきたり下痢をすることがあります。
犬では、吐くこと自体はそこまで異常なことではありません。
しかし、頻回で何度も吐いてしまったりする場合は何らかの異常がある可能性があります。
何度も吐いてしまったり、下痢をすると脱水にもなるので早めに病院を受診して治療を受けた方がよいでしょう。
熱中症を予防するには
では、熱中症を予防するためにはどんなことをするべきでしょうか。
暑い時間の散歩は控える
まずは、お散歩の時間に注意しましょう。
昼間や午後の早い時間は気温が高いことはもちろん、日差しの強さや地面からの放射熱も高いことが考えられます。
熱中症だけでなく、肉球などの火傷につながる危険性もあるため、お散歩をするのであれば朝早い時間か夕方から夜の時間の涼しい時間にするようにしましょう。
室内でも冷房はつけておく
室内で飼育しているからと言って熱中症にならないわけではありません。
室内の場合は特にこもりやすく、温度湿度ともに上がりやすくなります。
飼い主や家族が外出する際は、必ず冷房を付けて犬が快適に過ごせるように管理してあげるようにしましょう。
車の中での留守番には要注意
おでかけに連れてきて、買い物の間車の中で待機していてもらう。というのは大変危険です。
人の赤ちゃんでも、車内で熱中症になり命を落としてしまったという痛ましいニュースを見ることがあります。
犬や動物も同じです。
もし、車の中で待っていてもらうなら冷房をしっかりと付けできるだけ短い時間で戻ってきてあげるようにしましょう。
水分の摂取
適度に水分を摂取させてあげる事も忘れずにしましょう。
がぶ飲みはかえって危険ですが、少しずつ適度にあげることで脱水を防ぎ熱中症の予防につながります。
まとめ
今回は犬と熱中症について解説していきました。
この時期は特に注意が必要な疾患です。
何か異変を感じたり、いつもと違うと感じたら早めに病院を受診するようにしましょう。
ポイントを押さえて、具体的な症状や予防法を把握しておきましょう。
今回はここまで!
また次の記事でお会いしましょう!
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