皆さん、こんにちは!
現役動物看護師のクロころです。
間もなくGWを迎えようとしていますが、この時期の動物病院は一年の中でも「繁忙期」と言われる時期です。
繁忙期となる大きな要因の一つが “狂犬病ワクチン” の接種です。
4月~6月の期間が接種期間として定められており、ワンちゃんを飼っている方なら自宅に「狂犬病のはがき」が届いているのではないでしょうか。
この狂犬病ワクチンが義務であるということ、皆さんは知っていましたか?
今回は、なぜワクチンを打たなければいけないのか。なぜ義務なのか。などについて解説していきます。
ぜひ最後まで、ご覧ください!
狂犬病とは
まず、狂犬病という疾患がどういったものなのか。
狂犬病はウイルスにより感染する人獣共通感染症です。
“人獣共通” なので、人にも感染する恐れがあります。
そして、狂犬病の怖いところは発症後の致死率が著しく高いことです。
発症すれば、致死率は99%以上にのぼります。
ほぼ100%命を落とすのです。
感染すると、神経症状、恐水病(水を極端に嫌がる)、麻痺などの症状を呈し最終的に命を落とします。
犬では、フライバイティングといって空中で存在しないハエを捕まえようとする行動をとったりします。
これが、狂犬病の大まかな概要です。
狂犬病清浄国
日本で、狂犬病のワクチンのみが義務化されているのは先ほど挙げたように狂犬病がとても怖い疾患だからです。
世界では、狂犬病が蔓延している国が現在も多く存在します。
アフリカやアジアの国では近年でも感染が確認されています。
では、日本ではどうでしょうか。
日本は、現在まで70年近くにわたって感染を起こしていない「清浄国」となっています。
これは、日本で狂犬病ワクチンが義務化されているからこそといえるでしょう。
それでも、外国から狂犬病ウイルスが侵入することも考えられます。
こういった理由から狂犬病予防法により、ワクチンの接種が義務付けられているのです。
副作用がでることはないの?
人では、2020年以降の新型コロナウイルスのパンデミックによりワクチン接種が推奨され、様々な意見が飛び交っていました。
その論争の一番の焦点は「副作用」に関することだったのではないでしょうか。
狂犬病ワクチンもワクチンですので、副作用が起こってしまうことはあります。
しかし、狂犬病ワクチンは “不活化ワクチン” という種類に分類され、ワクチン自体に本物のウイルスは含まれていません。
つまり、効力としてはそこまで強くないということです。
比較的副作用が出やすいのは、同じく犬で接種する「混合ワクチン」の方と言われています。
混合ワクチンは “弱毒化ワクチン” という種類で、本物のウイルスを弱毒化したものを含んでいるため、不活化ワクチンに比べて副作用が現れやすいとされています。
この副作用の出やすさがワクチンを打つ順番にも影響するのですが、これはまたの機会にお話ししようと思います。
まとめ
狂犬病について、狂犬病ワクチンについて理解していただけましたでしょうか。
今回のポイントはこちら!
今、日本で狂犬病が蔓延していないのは、犬の飼い主の皆さんが継続してワクチン接種を続けてくださっているからです。
ご自身のワンちゃんを守るため、地域の安全な環境を守るために、今回のお話はぜひ覚えていってほしいと思います。
では、今回はここまで!
また次の記事でお会いしましょう!
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