皆さんこんにちは!
現役動物看護師のクロころです。
今回は「犬の肛門腺絞り」について解説していきます。
定期的に病院やトリミング施設などで絞ってもらっているという飼い主の方は多いと思います。
しかし、なぜ肛門腺を絞らないといけないのか。
溜まってしまうとどうなるのか。などは理解していないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、肛門腺に関する知識や疾患のリスクについて解説していきたいと思います。
それでは、詳しく解説していきます。
肛門腺とは
まず、肛門腺とはそもそもどんなものなのか。
肛門腺とは、「犬がテリトリーににおい付けをしたり、天敵から身を守るため」のにおいのついた分泌液を出す臭腺のことをいいます。
肛門腺の中には肛門嚢と呼ばれる袋があり、ここに分泌液が溜まっています。
この分泌液は個体ごとに性状が異なり、色や粘度に違いがあります。
サラサラの分泌液であればそこまで問題になることはありませんが、粘度が高かったりつぶつぶの固形物が含まれる場合は、炎症や肛門嚢の詰まりにつながる恐れがあるため注意が必要です。
肛門腺絞りをする意味
肛門腺の構造を理解すれば、なぜ肛門腺絞りをするのか、その意味が分かってもらえると思います。
肛門腺絞りをする理由としては、「肛門嚢の分泌液を排出させることで、肛門嚢炎のような炎症を予防したり、肛門嚢が破裂することを防ぐこと」が主な理由になります。
では、肛門嚢炎や肛門嚢破裂とはどんな疾患なのでしょうか。
肛門嚢炎・肛門嚢破裂とは
肛門嚢炎
肛門嚢炎は字のごとく、肛門嚢に分泌液が溜まり炎症を起こしてしまった状態のことを言います。
肛門回りに赤みが出たり、腫れが認められるようになります。
また、犬自身が気にしてお尻をこすりつけたり、執拗になめたりすることもあります。
肛門嚢破裂
肛門嚢炎が悪化すると、肛門嚢破裂を起こす可能性があります。
炎症により肛門嚢が化膿してきたり、分泌液がたまって最終的には肛門嚢が破裂してしまうのです。
破裂を起こしてしまうとかなりの痛みが伴うので、犬はかなり肛門回りを気にするようになります。
破裂を起こすと、出血や膿が出てくることがありそれによって気が付く飼い主もいるようです。
そのため、肛門嚢炎や肛門嚢破裂が起こる前に定期的に肛門を絞ってあげる事が重要なのです。
まとめ
今回は「犬の肛門腺絞り」について解説していきました。
肛門腺絞りは処置自体は難しいわけではありませんが、しっかりと分泌液を出すには少しコツのいる処置になります。
もし、自宅で肛門腺がうまく絞れなかった場合は、病院でやってもらったりグルーミング施設で行うようにしましょう。
無理に行うと肛門周りを傷つけてしまう可能性があるので、十分注意してください。
今回で肛門腺を絞る理由や肛門腺の仕組みについて理解してもらえたと思います。
飼っている子がお尻を気にし始めたり、こするような仕草をしていたら肛門腺が溜まっているサインかもしれません。
早めのチェックで、発症を予防していきましょう。
今回はここまで!
また次の記事でお会いしましょう!
コメント