皆さん、こんにちは!
現役動物看護師のクロころです。
今回は、犬猫の去勢手術を行うメリットである「予防できる疾患」をご紹介します。
近年のペットブームで子犬や子猫をお家に迎え入れた方も多くいることでしょう。
その子の去勢や避妊手術について、考えたことはありますか。
手術をするかしないかは、その子の将来を大きく左右する可能性のある大切な選択です。
この投稿が皆さんの選択の参考になるよう、祈っています。
去勢手術をするメリット
犬猫を飼育すると必ずと言っていいほど、つきまとう問題が「避妊・去勢手術」です。
飼い主さんの中には、
「将来赤ちゃんが欲しい」や「健康な子犬、子猫に痛い思いをさせるのはいや」
というような理由で、手術を希望しない方もいらっしゃいます。
もちろん、強制ではないのでするかしないかは飼い主さん自身の判断になります。
しかし、手術をしておくことで将来の健康につながったり、問題行動を改善できたりとメリットもたくさんあります。
具体的には
などが挙げられます。
今回はこの中から予防できる疾患についてお話ししていきます。
去勢手術によって予防できる疾患
精巣腫瘍、精巣関連疾患
精巣腫瘍で代表的なものでは “セルトリ細胞腫” や “精巣上皮腫” などが挙げられます。
精巣に関連した疾患では、精巣炎や精巣捻転などが挙げられます。
いずれも去勢手術を行うことでほぼ予防することが可能です。
前立腺疾患
膀胱の後ろ辺りに位置する前立腺ですが、具体的には “前立腺肥大” や “前立腺嚢胞” などが挙げられます。
この場合、 “前立腺がん” は含まれておらずそれ以外の前立腺疾患を指しています。
症状として、頻尿や血尿、膀胱付近での激しい痛み、食欲不振などがあります。
肛門周囲腺腫
こちらは、字の通り肛門の周囲に腺腫とよばれる腫瘍ができる疾患です。
しかし、これは良性の腫瘍であるため命にかかわるというものではないとされています。
ただ、血尿が出たりするため予防は必要です。
会陰ヘルニア
「ヘルニア」とは、穴が開いて中のものが飛び出すこと。を意味します。
会陰ヘルニアは、薄くなった肛門周囲の筋肉に穴が開きそこから腸などが飛び出てくることを言います。
この疾患は進行状況によっては命に係わる状態まで行くことがあるため、要注意です。
まとめ
去勢手術では、以上のような疾患を予防することができます。
命に係わる疾患もあり、発症した際の動物の苦痛を考慮すると去勢手術を行うメリットは大きいのではないかと感じます。
しかい、選択するのはあくまで飼い主さんやご家族です。
しっかりとした理由をもって、手術はしないという選択をされたのであればそれも一つの選択になります。
いずれの選択をした場合も、責任をもってその子の面倒を見てあげましょう。
では、今回はここまで。
また次の記事でお会いしましょう!
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