皆さんこんにちは!
現役動物看護師のクロころです。
今回は、「犬猫の尿検査」について解説してきます。
健康診断やおしっこの異常が見られた際にしてもらうことが多い検査ですが、どんな検査をしているか飼い主の皆さんは知っていますか。
主な検査項目はこちらです。
- 尿試験紙検査
- 尿比重検査
- 顕微鏡検査
- 尿沈渣検査
今回はこのうちの尿試験紙検査について詳しく解説していきます。
尿試験紙検査
犬猫の尿検査では一般的に行われる検査で、少量の検体で短時間で多くの項目を調べることができることが大きな特徴です。
ここで異常とみられる数値が見つかった項目はさらに精査していく必要がある場合があります。
検査できる主な項目は以下の6選。
- 潜血
- 糖
- pH
- ケトン体
- ビリルビン
- タンパク質
潜血
この項目では、尿中の血液成分の有無を調べることができます。
もし潜血が確認された場合は、膀胱などで炎症を起こしていたり、出血の可能性が考えられます。
また、潜血は色だけでは判断できない場合があります。
普通の黄色の尿でも、潜血が陽性になることはあるのです。
糖
この項目では、尿中に糖(グルコース)が出ていないかを調べることができます。
もし尿中にグルコースが漏れ出ていることが確認されれば、糖尿病などの精査を行う必要があります。
pH
この項目では、尿の性状が酸性かアルカリ性かを調べることができます。
正常では、5~7辺りを推移していますが、どちらかに傾いたりすることで尿中で尿石が作られるリスクが高まります。
特にアルカリ性に傾くと、犬などで多い「ストラバイト結晶」というものが形成されやすくなります。
ケトン体
「ケトン体」とは体内で脂肪を燃やした際に出る残り物のようなもののことです。
本来は尿中に出てくることはほとんどありません。
確認された場合は、糖尿病や肝臓の疾患などを疑う必要があります。
ビリルビン
この項目では、尿中で溶血がないかなどを調べることができます。
ただし、犬では正常時でもビリルビンが検出されることがあるのでその他の項目と併せて評価する必要があります。
ビリルビンが確認された場合は、溶血性の疾患や肝臓の疾患を疑う必要があります。
タンパク質
この項目では、尿中のタンパク質の量を調べることができます。
タンパク質は正常時でも少量検出される場合があります。
タンパク質が検出された際に疑うことは膀胱炎などの炎症や肝臓の疾患です。
まとめ
今回は、犬猫の尿検査の中でも「尿試験紙検査」の概要、各項目について解説していきました。
病院で検査を行う際は、簡易的で多くの項目をすぐに見ることができるため行っているところが多いと思います。
ここで異常値が確認された項目は、より精密な検査に進んでいく可能性があります。
疾患を見つける第一歩となる検査を言えるでしょう。
他の検査についてもいずれご紹介していきます。
今回はここまで!
また次の記事でお会いしましょう!
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