皆さんこんにちは!
現役動物看護師のクロころです。
今回は、犬猫の尿検査の中でも「尿比重検査」について解説していきたいと思います。
解説するポイントはこちら
- 尿比重とは
- 尿比重の正常値
- 尿比重検査でわかること
それぞれ詳しく解説していきます。
尿比重とは
ではまず、「尿比重」とは何かから解説していきます。
簡単にいうと、「尿の濃さ」を表したものです。
人でも尿の濃さは指標の一つとしてよく見られています。
水分をあまりとらなかった日は「尿が濃くなり、濃い黄色」の尿が出る。
水分を多くとったり、コーヒーなどカフェインを摂取した後では「尿は薄くなり、薄い黄色」の尿が出る。
といったように変化が目に見える指標です。
このように尿が濃くなったり薄くなったりするのは、「腎臓の働き」によるものです。
尿比重は腎臓の機能、働きを見るために大切な項目の一つなのです。
尿比重の正常値
では次に尿比重の正常値を解説していきます。
一般に犬猫の尿比重の基準値はこのようになります。
低張尿 | 犬猫:1.001~1.007 | |
等張尿 | 犬猫:1.008~1.012 | |
濃縮尿 | 犬猫:1.013~1.029 | |
高張尿 | 犬:1.030以上 | 猫:1.035以上 |
犬の正常値は “1.030以上” 猫の正常値は “1.035以上” とされています。
皆さんの中には尿は薄い方がいいと思っている方もいるかもしれません。
しかし、腎臓の評価をする場合はある程度の濃縮された尿が出ている方がよいとされています。
その理由は、「腎臓がしっかりと働いて尿を濃縮している」ことがわかるためです。
尿が薄くなっている場合は、正常時よりも腎臓の機能が落ちていることが考えられます。
尿比重検査でわかること
ここまで解説してきたように、尿比重検査は腎臓の機能をみるために有効な検査であるといえます。
腎臓では原尿からの水の再吸収を行っており、この機能がしっかりと働いていれば濃縮された尿が排泄されるのです。
また、尿が濃すぎる場合も注意が必要です。
この場合は、脱水などに陥っている可能性があります。
高すぎる尿比重にも注意しましょう。
- 低比重尿:腎臓の機能低下
- 高比重尿:脱水
まとめ
今回は犬猫の尿検査の中でも「尿比重検査」について解説していきました。
飼い主の皆さんからすると、なかなか聞きなじみのない検査かもしれませんが、動物病院ではごく一般的に行われている検査です。
今回の尿比重検査のポイントはこちら
- 尿比重とは「尿の濃さ」を数値化したもの
- 尿比重を測ることで「腎臓の機能、働き」がわかる
- 正常値は犬:1.030以上 猫:1.035以上
- 低比重尿の場合:腎臓の機能低下 高比重尿の場合:脱水 を疑う
もし、動物病院で尿検査をした際は気にしてみてみると今まで以上に検査の意義も理解できるようになるかもしれませんよ。
今回はここまで!
また次の記事でお会いしましょう!
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