皆さんこんにちは!
現役動物看護師のクロころです。
今回は、「うさぎの歯の特徴3選」をご紹介していきます。
うさぎの見た目の大きな特徴の一つとして「大きな前歯」が挙げられますよね。
実は、うさぎの歯は見た目だけでなく他にも特徴的なことがあります。
結論、この3つです。
- うさぎには犬歯がない
- うさぎの切歯は全部で6本
- うさぎの歯は生涯伸び続ける
1つずつ解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください!
うさぎの歯の数
まず、うさぎの歯の構造と他の動物の歯の構造の違いをご紹介していきます。
まず犬の歯式がこちら
<上顎>切歯:3 犬歯:1 前臼歯:4 後臼歯:2
<下顎>切歯:3 犬歯:1 前臼歯:4 後臼歯:3 計42本
続いてうさぎの歯式がこちら
<上顎>切歯:2 犬歯:0 前臼歯:3 後臼歯:3
<下顎>切歯:1 犬歯:0 前臼歯:2 後臼歯:3 計28本
上顎と下顎それぞれ左右の片側の数となっているので、全体の数で示すには2倍して計算します。
犬の歯と比べるとかなり数が少ないことが分かります。
うさぎに犬歯がない理由
先ほどの歯式をみて特に違うのは、 “犬歯” がないことですね。
うさぎに犬歯がない理由は、簡単にいうと「必要なかったから」です。
うさぎは草食動物です。
肉を引き裂く用の犬歯は必要ないですよね。
うさぎに必要なのは、草をすりつぶすための歯です。
そのため、犬歯がなく犬よりも歯の数が少なくなっているのです。
うさぎの切歯の数は6本⁇
「切歯」とは、前歯のことを指しています。
冒頭でもあげたように、うさぎの大きな歯の特徴は「大きな前歯」です。
その前歯は何本でしょう。
皆さんが目にするイラストの多くは “2本” だと思います。
しかし、実際は違うのです。
実際には上顎の切歯は4本あります。
では、どこにあるのか。
それは、一枚目の切歯の裏側です。
2本の切歯が前後で重なるように生えているのです。
その2枚の上顎の切歯の間に下顎の切歯が収まるようにして生えています。
かなり特徴的ですよね。
犬などでこのような構造になっていたら「乳歯遺残」と思われてもおかしくないと思います。
これが、うさぎの切歯が6本ある理由です。
うさぎの歯は生涯伸び続ける
うさぎの歯において最も特徴的なことであると個人的に思っています。
なんとうさぎの歯は一生涯かけて伸び続けるのです。
切歯も臼歯も関係なくぐんぐん伸びていきます。
ここに、うさぎが牧草を食べる理由があるのです。
食物繊維の豊富な牧草を食べることで歯を削り伸びすぎを防止しているのです。
野生のうさぎは、木の幹を食べるといわれるほど硬いものを食べて歯の咬耗を行っています。
ペットのうさぎでは、牧草のほかにペレットや野菜、果物など嗜好性の高いものが多くあるため、牧草を好んで食べない子も多くいます。
そんな子では、歯の咬耗が不十分となり “不正咬合” を発症することになってしまう場合があります。
不正咬合の予防のためにも、歯の咬耗を意識した食事を与えてあげてほしいと思います。
歯の伸びすぎを防ぐケア
先ほども紹介したように、歯の伸びすぎを防ぐには食物繊維豊富なものを与えたり、硬めのものをかじらせてあげる必要があります。
食事面においてはやはりまずは「牧草」を第一選択で与えてあげる必要があります。
その他かじらせてあげるとよいものとしては「かじり木」などがあります。
スキンシップの一環としてかじり木で遊んであげるのもよいでしょう。
反対に、硬すぎるものはいけません。
ケージの金網などを噛んでしまうとうさぎの歯が変形したり、伸びる方向が異常になってしまうことがあるためです。
適度に硬く歯の咬耗を促すことができるものを与えてあげましょう。
まとめ
今回は、うさぎの歯の特徴、歯のケアについて解説していきました。
ポイントはこちら
- うさぎには犬歯がない
- うさぎの切歯は6本ある
- うさぎの歯は生涯伸び続ける
- 伸びすぎると「不正咬合」を発症する
- 歯の伸びすぎ予防には牧草などの食物繊維の豊富なものやかじり木などを与える
口腔内の環境はどの動物にとっても大切なものです。
適切なケアをしてあげることで、生涯健康に過ごすことができる可能性は大いにあります。
口の中を定期的にチェックしてあげるなどして、健康を維持できるようにしてあげましょう。
今回はここまで!
また次の記事でお会いしましょう!
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